クレディスイスAT1債無価値化
FINMA(スイス金融市場監督機構)の発表によると、クレディスイスAT1債は金額(額面)にして総額160億スイスフラン(日本円で2兆2000億円)。
投資家から訴訟が提起されていて、AT1債が最終的に無価値になるのか、ならないのか、まだ分かりません。
(スイス当局発表では無価値です)。
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問題はこれを保有している投資信託などが、日本にも結構あること。
野村アセットマネジメント、三菱UFJ国際投信、アセットマネジメントOne、日興アセットマネジメントなどが委託会社となって運用している複数のファンドが、
クレディスイスのAT1債を保有しています。
トータルで2兆円強ですので、日本のファンドに入り込んでいるものは、
1件あたりにするとさほど大きくはなく、恐らくは、余り心配することもなさそうですが・・。
なお運用会社(委託会社)によってディスクロージャーの程度が違います。
『こちら』はニッセイアセットマネジメント株式会社の告知ですが、
他社よりも詳しく好感が持てました。
もっとも「クレディスイスは大丈夫だろうか」と騒がれていたのは2年ほど前から(『こちら』)。
投信の運用会社としては少しでも運用利回りを稼ぐために、クレディスイスのAT1債に手を出したのでしょうが・・。
「止めておけば良かったのに」
と感じてしまいます。
しかし同時に、今になってそれを言うのは、酷な気もします。
株主がある程度資金回収出来るのに、
一方で、AT1債投資家は全損を被るとは、
殆どの市場関係者にとって予想できない決着だったからです。
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