JTCの問題は、JTCの中にいると、自分たちがJTCであることに気がつかないこと(その4)
(その4まで続くシリーズの4回目です)
【4】内向きのカルチャーや企業風土からの脱皮
ネットで若い人たちの間で頻繁に取り上げられているJTCの問題は、多くの場合は内向きの企業風土やカルチャーといった問題に集約される。
実際のところ、JTCの中間管理職(部長、課長)たちは、どこに力を入れているか。
時として、外に出て顧客から仕事を取ってくるよりも、むしろ内向きの営業に力が注がれていたりすることがあるようだ。
この辺のところが若手にとっては気になるのだ。
たとえば、ある大企業の地方支社では社長が来るというので、支社をあげて事前リハーサルをするという。
それも1回だけでなく、何回も・・。
2018年までソニーの社長だった平井さんが本に書いていたが、
海外出張の時、平井さん(社長)が泊まるホテルの部屋のテレビがソニー製だった。
ところがテレビの裏を覗いてみると、ホコリ一つない。
ホテルの部屋に設置されたテレビの裏がホコリ一つないというのはオカシイ。
室内の他のものと比べて配線が明らかに新しい。
ホテルを手配してくれた現地のスタッフに聞くと
『東京から本社の役員が来るときは部屋のテレビをソニー製に取り換えているのだ』という。
「そんなところにエネルギーを使うな」というのが、平井さんの考え。
このように往々にしてJTCにおいてはエネルギーが社内に向けられてしまう。
本来は外にベクトルが向いて、外の顧客相手に営業して利益を上げていかなければならない。
こうした内向きのカルチャーは、社長が率先して変えていくしかない。
【追記】
今回、4回にわたってJTCについてブログを書く切っ掛けとなったのは、3/12付の日経ヴェリタス紙の巻頭特集記事です。
実は、日経ヴェリタスのこの号では、編集後記がいちばん読みでがありました。
『編集後記がいちばんなんて、そんな失礼な』というヴェリタス編集部の声が聞こえてきそうですが、
気配りせずに自由に書ける「編集後記」ならではの文章。
著作権の問題もあり、「編集後記」とは言え、全文掲載は難しそうですが、以下、一部(というか、かなりですが、すみません)勝手に掲載します。
全文ならびに今回のヴェリタス巻頭記事は『こちら』からお求めください。
* * *
『今回の巻頭特集で世代間の断絶をリアルに感じました。14人の記者と取材チームを組んだのですが、50歳代は私だけ。
「JTCで何かを表現して」と頼んだら、邪魔する(J)、突然むちゃぶり(T)、ちゃんとしていない(C)との答えが返ってきて・・。』
* *
『いつの時代も世代間ギャップはあるものですが、
今の若者の怒りは、上の世代が想像するよりはるかに大きい模様。
年功序列といった仕事の話だけでなく、社会保障から気候変動まで「我々が損するのは上の世代のせいだ」』。
* *
『怒りは何も生まない、共感が大切といった安易な結論では済まない大問題』
です。
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