投信とETF
10年以上も前に著した本の中で「投資信託の手数料は苛酷である」と書いたことがあります。
当時、投信の主流は販売手数料1.0~3.0%。
その他に、信託報酬が年2%前後。
100のものが、買った途端に97になり(注:販売手数料3.0%の場合)、しかも20年持てば(信託報酬が年2.0%の場合)更に約20%減価し、結果、77前後になります(注:運用成績がプラス、マイナス、ゼロの場合)。
しかしながら・・。
10年以上の年月の結果、時代はずいぶんと変わりました。
現在では、ネット証券を使えば、販売手数料ゼロの投信が増え、しかも信託報酬も例えばeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の場合、年0.05775%。
ところで、いま日本の投資信託の世界で起きていることは、eMAXIS Slim シリーズのように、強いものがますます強くなるという現象です。
運用会社が投資信託を運用する上では一定のコストがかかりますが、多くの運用資金を集めていれば、コストは薄められます。
その結果、こうした投信が競争優位となり、ますます資金を集めやすくなるといった好循環に。
逆にじゅうぶんな運用資産を集めることが出来ない弱小投資信託の中には、コストを吸収しきれないところも出てきています。
現在もっとも多くの運用資産を集めているのが、eMAXIS Slim米国株S&P500で、純資産総額は、なんと2.95兆円。
いずれにせよ信託報酬がここまで低くなってくると、ETFとの差が少なくなってきます。
そんなことを考えながら、日経新聞(電子版)に寄稿しました。
『こちら』です。
明日の日経ヴェリタス紙にも掲載されます。
(注:図はSMBC日興証券のサイトより)
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