エクセルのなかった時代
今週火曜日は、日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。
トピックスは、金鉱山会社について。
番組でお話ししていて思い出したのは、菱刈鉱山。
かつて金の品位では世界1位と言われた鉱山です。
『そう言えば菱刈の採掘現場には何回か行ったことがある』と思い出しました。
今から38年も前になりますが、1987年、私は興銀シカゴ支店の勤務を終えて、日本に帰ってきました。
新しい配属先は審査部。
業種ごとに班が分かれていて、私は審査第5班と言われた「資源・エネルギー班」の配属でした。
当時の興銀は、海外の資源開発プロジェクトに積極的に融資していました。
たとえばチリの銅鉱山(エスコンディーダ)、オーストラリアの天然ガス(ウッドサイド)などです。
そうしたプロジェクトへの融資の可否を判断するのが審査第5班の役目。
審査においては、実査といって、実際に現場に行って、目で見て、そこで働く人に話を聞いて、判断の材料を積み上げていく過程が重要です。
しかしプロジェクトファイナンスの場合は、プロジェクトを始める前の段階で融資の可否を判断するものですから、海外の現場に行っても何もありません。
『ここを掘る予定です』と言われるだけです。
したがって、審査に従事する人間としては、日ごろから、日本国内の鉱山開発や操業の現場に行かせてもらって、何が鉱山開発の採算性にとって重要かなどについての知識を磨き、判断力を高めていくことが重要になります。
こうしたことから、私は、当時、日本で操業していた鉱山のほとんど全ての現場に入らせてもらいました。
幸い、ほぼ全社が興銀の融資先でしたので、『勉強のために鉱山に入らせて欲しい』とお願いすると、受け入れてもらえました。
菱刈もいろいろと縁があって、幾度となく訪問させて頂きました。
ところで、海外のプロジェクトファイナンスの審査というと、キャッシュフロー(CF)分析がポイントとなります。
今ではエクセルでCF分析は簡単に出来ますが、そもそもエクセルという便利なものが登場したのが1980年代の後半。
当時の審査部ではまだマルチプランや Lotus 1-2-3を使って収支予想を組んでいたのを思い出しました。


