メタ、AI事業の現在地(その2)
今年4月に予定されていた「ラマ 4」の最上位モデル「ビヒモス」の発表延期。
いまメタ社のAI開発の最前線で何が起きているのでしょうか。
メタ社で起きている幹部社員の大胆な入れ替えも話題を呼んでいます。
今年5月30日付にて、メタのAIリサーチ部門のトップだったジョエル・ピノー氏(バイスプレジデント)が退社。
後任として6月30日付で28歳のアレキサンダー・ワン氏が新たにチーフAIオフィサー(CAIO)に就任しました。
彼は、新設のスーパーインテリジェンス研究所のトップにも就いています。
メタのAIを新たに率いることになったワン氏とは、どんな人物なのでしょうか。
アレキサンダー・ワン氏は中国系移民の両親のもと、米国で生まれました。
両親は共に原子核物理学者で、ロスアラモス国立研究所で勤務しています。
ワン氏は幼少期から英才教育を受け、幼稚園に入るころには大学レベルの物理学を学び始めたとのこと。
MIT(マサチューセッツ工科大学)に進学するも1年で中退し、2016年、19歳で「スケールAI」を創業しています。
スケールAIは、AI開発に不可欠な「データへのラベル付け」を専門に行う企業です。
例えば、自動運転車の開発では、AIが歩行者と路上の紙袋を正しく識別できるようにしなければなりません。
そのために、大量の映像データに対して「これは歩行者」「これは紙袋」と人手でラベルを付け、これをAIに学習させることが必要とされてきました。
この単調で労力のかかる作業を事業として確立させたのが「スケールAI」社です。
同社は早期にこの分野へ参入し、人員を大量に確保することで競争優位を築いてきました。
ネット上で、単発ベースで仕事を請け負う人のことをギグワーカーと言っていますが、
スケールAIはギグワーカーを積極的に利用。
「リモタスクス」と「アウトライヤー」という2つの子会社を通じて、なんと世界中で24万人以上のギグワーカーを雇用しているのです。
この事業を19歳で始めて、成功を収めてきたのが、現在28歳のワン氏なのです。
(以下、次回に続きます)
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