計算されたエスカレーションの果てに——— 最高の頭脳(?)が繰り返す過ち
At the End of Calculated Escalation — The Best and the Brightest(?)Could be Repeating Their Mistakes
2週間ほど前、2月28日(土曜日)イラン時間早朝、米国およびイスラエルによる大規模なイランへの空爆が開始されました。
この攻撃で最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師が標的となり、死亡がイラン国営メディアにより確認されています。
イランは直ちに報復攻撃を開始し、米国・イスラエル側も空爆を継続・強化しています。
翌3月1日頃、イラン革命防衛隊(IRGC)がホルムズ海峡を通航する船舶に対し警告を発し、多くの船舶保険会社が同海峡を「高リスク戦争区域」と指定した結果、商業船舶の航行が事実上停止(大幅に減少)しました。
現在も海峡はほぼ閉鎖状態が続いており、世界の原油供給に深刻な影響が出ています。
軍事衝突はエスカレートを続けていますが、これまで米国はイラン原油輸出の約9割を担うカーグ島(Kharg Island)の石油関連施設への直接攻撃を控えてきました。
(カーグ島;1967年のオイルローディングターミナル写真で、イラン著作権法により期限切れ。Public Domainです)
これは、イラン経済への壊滅的打撃になると同時に、世界原油需給を崩壊させ、原油価格の急騰を通じて米国自身も大きな経済的ダメージ(「返り血」)を受けるリスクがあったためです。
しかし、トランプ大統領は昨日(おそらく3月13〜14日頃)、カーグ島への攻撃を指示しました。
ただし、声明では「島の軍事目標を徹底的に破壊したものの、石油インフラの全面破壊は行わず、現時点では温存した」と明言し、ホルムズ海峡の自由航行が妨害され続ければ石油施設も攻撃対象にすると警告しています。
この一連の軍事行動は、表面上激しいエスカレーションに見えますが、非常に計算された段階的・条件付きの圧力強化と評価することも可能です。
トランプ大統領は感情的に動いているように見える一方で、背後で詳細なシナリオやマスタープランを策定する側近・チームが存在している可能性も見えてきます。
それが現国防長官ピート・ヘグセス(Pete Hegseth)氏かどうかは定かではありません。
彼の役割は目立っていますが、戦略の中心人物というより実行面の指揮官という印象です。
歴史的に振り返ると、ベトナム戦争時、ロバート・マクナマラ国防長官は「最高の頭脳(The Best and the Brightest)」と称され、統計分析・システム分析・数理最適化などの経営的手法を国防に導入し、戦略立案を主導しました。
しかし、北爆強化や段階的エスカレーションが結果的に誤りであったことは、歴史が証明しています。
「最高の頭脳」が時に致命的な誤算を犯すことを、過去から学ぶ必要があるように思います。
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