« 2026年4月 | トップページ

2026年5月10日 (日)

日経平均6万円時代。「今からNISA」はもう遅いのか?

「今からNISAを始めても大丈夫ですか?」

最近、この質問を以前にも増して多くいただくようになりました。

日経平均株価が62,000円を超え、連日最高値を更新し続ける中、「高値掴み」が心配になる気持ちは、とても自然なことです。

しかし、この質問は決して今に始まったことではありません。

◆「様子見」が生んだ後悔のループ

新NISAがスタートした2024年1月、日経平均は33,288円でした。

その1年前の2023年1月は約25,716円。

わずか1年で約3割の上昇です。

当時も多くの人が

「今は高すぎるから、少し下がってからにしよう」

と様子見を決めました。

当時のことを考えると、「いまさら、この値段ではとても買えない」と思ってしまうのは、ある意味、当然かもしれません。

◆投資で大切なのは「過去」ではなく「未来」

しかし、過去を振り返ってばかりいても、あまり生産的ではありません。

これから先、日経平均は、あの時の33,000円に戻るかもしれないし、永遠に戻らないかもしれません(逆に70,000円に上がってしまうかもしれません)。つまり先のことはよく分かりません。

投資の本質は、過去の答え合わせではなく、「5年後、10年後の未来」に資金を投じることです。

そんな想いを込めて、本日YouTube動画を公開しました(『こちら』です)。

◆元銀行員としての独り言

私が銀行員だった頃には、NISAではなく「マル優(少額貯蓄非課税制度)」がありました(現在も障害者・遺族年金受給者などを対象に残っています)。

預金の利息を非課税に出来た、のどかな時代でした。

しかし残念ながら、今の時代、非課税メリットを享受するには、どうしても「元本割れのリスク」と向き合う必要があります。

リスクとどう付き合い、未来の資産を育てるか・・。

なお今回の動画は導入編です。投資信託などについては続編で解説します。

| | コメント (0)

2026年5月 9日 (土)

アンソロピック(Anthropic)の上場計画

人工知能(AI)スタートアップの雄、アンソロピック(Anthropic)が、早ければ本年10月にも上場する可能性が報じられています。

上場時の推定時価総額は驚異の1兆ドル(約155兆円)規模。

これは日本最大の時価総額を誇るトヨタ自動車の時価総額の約3.4倍に相当します。

いきなり世界の企業時価総額ランキングでトップ14位前後にランクインすることになります。

ライバルのオープンAI(OpenAI)がイーロン・マスク氏との裁判やガバナンスの混迷で揺れる中、Anthropicは上場のタイミングだけでなく、評価額においてもOpenAIを逆転する「世紀の追い越し」を見せようとしています。

以下に、AnthropicのIPOに関する最新情報を簡単にまとめます。

【1】AnthropicのIPOの時期:最短で「2026年10月」

米国の有力法律事務所(Wilson Sonsini)を起用し、すでにS-1(目論見書)の準備に入っているとの報道があります。

IPOの時期としては26年第4四半期(10~12月)が最有力視されていますが、準備状況によっては2027年前半にずれ込む可能性も指摘されています。

【2】 現時点でのAnthropicの株主構成(推定)

◆Alphabet(Google)約23%

◆Amazon 約22~27%

◆GIC(シンガポール政府投資公社;Government of Singapore Investment Corporation) 約8~10%

◆創業者・従業員 約15~20%

◆その他投資家 約20~30%(Salesforce Ventures 2~4% 、Spark Capital 3~5%、Menlo Ventures 2~4%)

特筆すべきは、シンガポール政府(GIC)がしっかりと約1割のシェアを確保している点です。国家戦略としてAIの心臓部を押さえるスピード感は流石と言わざるを得ません。

※AlphabetとAmazonのシェアは26年4月の追加出資枠(パフォーマンス目標達成条件付)が全額実行されたと仮定した推計値です。また、Anthropicにはビッグテック(Big Tech)による支配を抑えるための「議決権制限条項」があるため、出資比率がそのまま経営権に直結しない特殊なガバナンス構造となっています。

【3】現時点での評価額

昨日(5月8日)のFinancial Timesの報道によれば、Anthropicは今夏に最大500億ドル規模の資金調達(プリIPOラウンド)を検討している模様。

この際の評価額は9,000億ドル〜1兆ドル(約155兆円)に迫る見通しです。

【4】これまでの評価額推移

(1)Series G(2026年2月):ポストマネー評価額 3,800億ドル。GIC(シンガポール政府投資公社)などが主導し、約300億ドルを調達。

(2)2026年4月のAlphabetとAmazonの追加出資:上記Series Gと概ね同水準の評価額で巨額の追加投資コミットを発表。

(3)Jupiterベースのインプライドバリュー(参考):分散型取引所(Jupiter)等で取引されるトークン資産が急騰。一時、実体のない期待値だけで1.2兆ドル超を記録しました。

【5】なぜ数週間で「3,800億ドル」から「1兆ドル」へ跳ね上がったのか?

背景にあるのは、売上の爆発的な成長です。

5月7〜8日の年次開発者会議で、ダリオ・アモデイ(Dario Amodei) CEOは次のように述べました。

「当初、2026年は『10倍成長』を想定して準備を進めていたが、実際には第1四半期だけで前年同期比『80倍』のペース(run-rate)で成長してしまった。」

年間売上ランレート(ARR:Annualized Revenue Run-rate)の爆発的な成長は、同社のコーディング支援ツール「Claude Code」がエンジニアの間でデファクトスタンダード化したことが主因です。

需要の激増に対応するため、SpaceXとの提携による計算資源の確保に動くなど、ビジネスの規模感がすでにスタートアップの域を大きく超えています。

「世紀のIPO」まで、いよいよあと数ヶ月。

テクノロジーの歴史がいま塗り替えられようとしています。

| | コメント (0)

2026年5月 6日 (水)

戦争拡大に対する抑止力

米国による対イラン戦争の拡大を抑止するのはダウ平均株価だ、とよく言われます。

振り返れば、1992年、

湾岸戦争に勝利し人気のあった当時現職のブッシュ大統領が経済運営に失敗、民主党のクリントン候補に敗れました。

湾岸戦争の勝利で一時は支持率90%を記録していたにもかかわらず、です。

このときのクリントン陣営のスローガンが、

「It's the economy, stupid(問題は経済なんだよ、愚か者)」。

こうしたこともあり、トランプ大統領にとっても、いくら戦果を強調したところで、

経済が悪化してしまえば、元も子もない(11月の中間選挙で敗れてしまう)

と考えている節が伺えます。

ところで、先ほど(この関連で)YouTubeを配信しました。

『こちら』です。

| | コメント (0)

1999年のNECは量子ビットの研究で世界の3周先を走っていた!

たまたまYouTubeを見ていたら、ReHacQで大阪大学の藤井啓祐教授が量子コンピュータについて熱く語っていました(『こちら』)。
 
あまりに面白くて最後まで見切ってしまったのですが、その中で1990年代のNECのエピソードが出てきます。
 
藤井先生いわく、『1999年のNECは世界の3周先を走っていた』とのこと。

A_wafer_of_the_latest_dwave_quantum_comp

(A Wafer of the Latest D-Wave Quantum Computers; Wikimedia Commons; by FlickreviewR 2; licensed under cc-by-2.0; Aspargos)
 
そもそも、1999年に世界で初めて「超伝導量子ビット」の動作実証に成功したのは、

当時NECに在籍していた中村泰信氏(現・東京大学教授/理化学研究所センター長)と

蔡兆申(ツァイ・ズァオシェン)氏(現・東京理科大学教授/理化学研究所チームリーダー)らのチームとのこと。
 
日本では1990年代初頭にバブルが崩壊し、1998年には深刻な金融危機が到来。

閉塞感が漂っていたあの時代に、日本の民間企業の研究所が世界のトップランナーとして歴史に名を刻んでいた!

今のGoogleなどの躍進も、元を辿ればこの時の日本での発見が起点になっていた、ということかもしれません。

20年で逆転されたのであれば、次の20年で逆転できるかもしれない。
 
思わずAmazonで藤井先生の近著『教養としての量子コンピュータ』をポチってしまいました。

届くのが楽しみです。

| | コメント (0)

2026年5月 2日 (土)

スライディング・ドア

「あのとき、もし別の選択をしていたら」

そんな運命の分岐点を描いた映画がいくつかあります。

例えば、1998年の映画『スライディング・ドア(原題:Sliding Doors)』。

Sliding-doors

ロンドンの広告代理店で働く主人公ヘレン(グウィネス・パルトロー)が、解雇された直後に地下鉄に乗ろうとして、

「間に合った場合」と「乗り遅れた場合」。

その後の二つの並行する人生が交互に描かれていく物語です。

地下鉄に乗れたか否か。

それは日常生活において、誰にでも起こりうる些細な出来事です。

映画では、その小さな差が、後のキャリアや人間関係を変えていきます。

私たちは誰もが、こうした日常の小さな偶然から、人生を左右する重大な局面まで、数多くの「選択」を積み重ねて歩んでいるのかもしれません。

「あの時のことが、一つの切っ掛けとなった」

本日配信のYouTubeでは、私自身のそんなエピソードについてお話ししました(『こちら』)。

ところで、この記事を書きながら、久しぶりに『スライディング・ドア』を見返したくなりました。

ちょっとした選択や偶然で、人生は劇的に変わる。

しかしこの映画の秀逸なところは、(ネタバレになりますが)「結局、二つの運命が再び合流する(?)」ようなところにあります。

2つの違った道は全く違うプロセスを辿りますが、本質的な運命は、どんなに遠回りをしても、最終的には同じ場所にたどり着くー

そんなエンディングであった(と記憶しています)。

結局のところ、人生のルートは変わっても、行き先を決めるのはどれだけ「思い」を強く持っているのか、ということなのかもしれません。

| | コメント (0)

« 2026年4月 | トップページ