2022年10月26日 (水)

ヘイル・メアリー

ヘイル・メアリー(Hail Mary)とは、ラテン語のアヴェ・マリア(Ave Maria)にあたる言葉。

アメリカンフットボールの世界では、試合終盤(ほとんど終わり間際)に、劣勢のチームが一発逆転を狙って投げる神頼みのロングパスのことです。

多くは失敗に終わります。

たった5分の動画なのですが、NFLがまとめた『Top 10 Hail Mary Plays of All Time!』(『こちら』)。

Nfl

最初に現れるのは第10位で、「ボルチモア・レイブンズ」対「デンバー・ブロンコス」(2013年1月)の一場面。

動画は成功したもののみを集めたものですが、奇跡的なシーンの数々から現場の興奮が伝わってきます。

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2020年12月20日 (日)

ソーラーカー

太陽光で走るソーラーカーが次々に登場しています。

ドイツのスタートアップ企業Sono社の「Sion」。

太陽光のみで1日最大34km(晴天時)の走行が可能なのだとか。

もっと凄いのが、米国カリフォルニア州(サンディエゴ郊外)のスタートアップ企業 Aptera Motors の「Aptera」。 

太陽光のみで1日に72km走行できるとのことですが、それだけではありません。

フル充電時の航続距離は約1610kmにも及ぶとのこと。 

  Aptera

東京から博多に行って(1094km)、そのまま折り返して、大阪まで戻ってくる(613km)ことも可能。

フル充電した後に太陽光で走り続ければ、充電不要で相当長い日数走ることが出来そうです。

ゼロから60mph(約97km/h)に到達する時間は3.5秒。

最高速度は時速177キロ。

写真のようにユニークな形状をしています(写真で左側が前方)。

価格は300万円~。

来年納車のスケジュールで予約受付中だったのですが、

一部の車種はすでに sold out の状況。

ご関心のある方は、『こちら』の動画をどうぞ。

わずか53秒の動画です。

なお Aptera Motors 社ですが、2005年に設立されたのですが、2011年に清算に追い込まれています。

多分、「時代が追い付いてこれなかった」ということなのでしょう。

創業者たちはクラウドファンディングの力も借りて、2019年に会社を再出発させ、 "Never Charge" EV の上記「Aptera」の販売に辿りつきました。

「失敗しても立ち上がる」ところがアメリカらしいですね。

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2020年12月13日 (日)

電気自動車、燃料電池車、ダウンサイジング・ターボ車

先週ご紹介した燃料電池車の新型MIRAIは、初代に比べて随分と良いクルマになったと思います。

しかしいざ購入するとなると、ネックは2つ。

値段(710万円~)がまだ高い。

加速性能がイマイチ(0→100km/hが9秒台;『こちら』)。

対する電気自動車のテスラは、モデル3(パフォーマンス・グレード)が、

値段717万円とMIRAIとほぼ同じなのですが、

0→100km/hが3.3秒。

やはり燃料電池車は、加速という点では、電気自動車にかないません。

ちなみにガソリン車のフェラーリ488ピスタは、0→100km/hが2.8秒。

しかし価格が4000万円を超えてしまいます。

これに対して、加速性能という点だけで見るならば、テスラのモデルS(パフォーマンス・グレード)は価格1200万円で、

0→100km/hが2.5秒。

フェラーリを超える加速性能になっています。 

もちろんレーサーでもない限り加速性能をそこまで極める必要はないのですが、

ヨーロッパではクルマの走りを気にする人も多く、新型MIRAIの加速性能は、燃料電池車が普及する上でネックになるかもしれません。

ところでヨーロッパと言えば(電気自動車も数多く発表されていますが、同時に)、ダウンサイジング・ターボの掛け声とともに、ガソリンエンジンのダウンサイジングもかなり進んでいます。

先日発表となったメルセデスのEクラス。

ドイツでタクシーに乗ると、メルセデスのEクラスである場合が多いのですが、Eクラスはサイズ的にもトヨタのクラウンを少しだけ上回る大きさです。

このメルセデスEクラス(E200)のエンジンが1.5リッターしかありません。

しかしターボの採用で、最大トルクはNA(Natural/Normal Aspiration;自然吸気)なら2.8リッター相当の280N・m。 

さらにスターターとジェネレーターを兼ねるBSGのモーターが160N・mの動力アシストを提供。

ちなみに価格は769万円~。

トヨタのクラウン(489万円~)に比べれば、やはりかなり高めになっています。

それにしてもクラウンを若干上回る大きさのメルセデスEクラス。

このエンジンが、カローラ(排気量1.8リッター)よりも小さい排気量1.5リッターとは・・!

それだけ環境負荷も小さい訳で、改めてダウンサイジング・ターボの進化に驚かされます。

 

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2020年9月 6日 (日)

ブランドの極致

街中や高速を走ると、レンタカーやカーシェアリング(いずれも「わ」ナンバー)を多く見かけるようになりました。

最近「わ」ナンバーが足りなくなり、北海道や沖縄では「れ」が使用され始めたのだとか・・。

週末にキャンピングに行く、あるいは実家に行くだけなら、クルマを持つ意味はなくなってきています。

維持にかかる税金、保険、車検、修理、そして都心の場合は車庫代。

こうしたことを考え合わせると、クルマを所有することは、経済合理性の点で疑問視され始めています。

トヨタにとっての最大の敵は、ホンダやメルセデスではなく、人々のこうした考え方の変化にあるのかもしれません。

* * *

Ferrari

さて、クルマを所有することの喜び、運転することの楽しさを極限まで突き詰めた会社がフェラーリでしょう。

時価総額を比べてみると:

トヨタ 23.0兆円

ホンダ 5.0兆円

日産 1.8兆円

これに対して、

フェラーリ 5.2兆円

昨年1年間でトヨタは 1,073万台(レクサス、ダイハツ、日野を含む)のクルマを全世界で作りました。

ホンダは 517万台です。

一方、フェラーリが作ったのは、たったの1万台です。

たった1万台を作る会社の売上高は、

4,745億円(1台あたり47百万円!)

キャッシュフロー(EBITDA)は、

1,599億円(時価総額はEBITDAの32倍)。

* * *

昨年発表されたSF90ストラダーレ(日本での納期は早くても今年後半)は、

フェラーリ初のPHEV(プラグイン・ハイブリッド電気自動車)。

4リッターV8ツインターボエンジンと、3基のモーター及び外部充電が可能なバッテリーを組み合わせ、システム合計出力1000psを発生させます。

最高速度は340km/h、0-100km/h加速は2.5秒。

日本での販売価格は、5,340万円。

見るだけでもワクワクさせる・・。

そんなクルマは滅多にありません。

ブランドの極致とでも言うべきもの。

* * *

テスラの時価総額がトヨタを抜き、フェラーリの時価総額がホンダやGMを抜き去った今。

改めてブランドの持つ意味を考えさせられます。

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2020年8月19日 (水)

アートにエールを!東京プロジェクト

私と同時期にスタンフォード大学大学院に留学した岡部さん。

彼はたしかエンジニアリングの大学院で、私は経営学(ビジネススクール)でした。

昨日のことですが、岡部さんからメールが来ました。

いわく、

『娘が東京都主催の「アートに エールを! 東京プロジェクト」に参加しました。

娘の新曲『Lapisterra』を演奏しています』。

* * *

岡部さんの娘さんは著名なヴァイオリニスト岡部磨知さん(『こちら』)。

新曲『Lapisterra』の演奏は、『こちら』でお聞き頂けます。

動画には磨知さんのほか、チェリスト岡部恵理さん、バイオリニスト岡部憲さん、ゲーム、映像クリエイター岡部祐果さんも登場しますが、4人全員が岡部さんのお子さんたち(そのほかにピアニスト、アレンジャーのkeikoさん、ギタリスト、作編曲家の村木数典さんも登場します)。

コロナ禍で沈み気味な空気を吹き飛ばすような、楽しい演奏です。

なお「アートにエールを!東京プロジェクト」は、東京都による芸術文化活動支援事業。

新型コロナの影響で、アーティストたちの活動も自粛を余儀なくされたり、活動の機会が減ったりしています。

こういった状況に鑑み、東京都では5月から7月にかけて「アートにエールを!東京プロジェクト」を実施していました。

プロジェクトに参加したアーティストたちの動画は、「アートにエールを!東京プロジェクト」のサイト(『こちら』)でご覧になることが出来ます。

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2020年3月 1日 (日)

国家が破産する日

私が観たいと思っていて、見逃していた映画が『国家が破産する日』

1997年に韓国で実際に起こった通貨危機。

失業者は130万人に及び、自殺者も急増。

実際のところ、韓国は97年から2001年までの4年間、IMF管理下に置かれました。

   Photo_20200301180301

         Photo from: https://movie.jorudan.co.jp/cinema/38455/

映画に登場するのは、韓国女優キム・ヘス演じる「韓国銀行」(韓国の中央銀行)通貨政策チーム長ハン・シヒョン(この映画の為に創作された人物)。

彼女は、韓国ウォンの通貨危機を予測。

韓国政府は非公開の対策チームを招集しますが、国家破産まで残された時間はわずか7日間しかありませんでした・・。

『こちら』がこの映画の予告編(トレイラー)。

映画は昨年11月に公開され、実は日本国内のほとんどの劇場では公演終了済み。

しかし4月8日にDVDとなって発売されます(『こちら』)。

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2019年7月31日 (水)

ヒットを連発するディズニー

今年12月公開予定の「STAR WARS: THE RISE OF SKYWALKER」(スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け)。

『こちら』でティーザー(予告編動画)をご覧いただけます。

* * *

それにしてもディズニーの勢いが止まりません。

最近ヒットした映画、それから今後ヒットが予想される映画を並べてみると:

・アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年公開、興行収入28億ドル、3000億円を記録し、世界歴代1位)

・アラジン (2019年公開、興行収入10億ドル、1080億円)

・ライオンキング(2019年7月19日公開、日本は8月9日公開予定)

・スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年12月20日、日米同時公開予定)

といった具合にいずれもディズニー。

    Dis

株価もグラフのように史上最高値となりました(昨日)。

* * *

現在のウォルト・ディズニー社を率いるのはボブ・アイガーCEO。

彼はもともとディズニーが1996年に買収したABC(American Broadcasting Company)でCOO(chief operating officer)を務めていた人。

買収された会社の人でも、能力があれば、買収した会社のトップになれるのが米国流。

2005年にアイガーはディズニーのCEOに就任。

先日のブログでも書きましたが、その翌年(2006年)にはアイガー率いるディズニーはピクサーを買収。

ディズニーが買収したピクサーには『トイ・ストーリー』を作ったジョン・ラセター(監督/ストーリー原案/モデリング & アニメーションシステム開発)がいました。

買収後、ラセターはピクサーのみならず親会社ディズニーのアニメーション・スタジオ『チーフ・クリエイティブ・オフィサー』に就任。

『アナと雪の女王』など数多くのディズニー作品の製作を指揮していきます。  

買収会社であれ、被買収会社であれ、買収が終了すれば、一つの会社。

それまでの所属に関係なく優秀な人材が遺憾なく能力を発揮していくことが、会社の成長には重要です。

* * *

もっともラセターの方は、2017年に社内でのセクハラが発覚、翌年にはディズニーを退社することを余儀なくされます。

現在ではスカイダンス傘下のスカイダンス・アニメーションに移っています。

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2019年6月18日 (火)

チャイコフスキー国際コンクール

4年に1回の頻度で開かれるチャイコフスキー国際コンクール。

数々の著名な芸術家を輩出してきたコンクールとして有名ですが、ピアノ部門では出場者がどのピアノを選ぶかも注目の的。

2015年6月にモスクワで開かれた第15回コンクールの際には、ヤマハの中田卓也社長も会場に足を運びました(その際の模様が当時日本でテレビ放映されました)。

4年前のこのときは、予選を勝ち抜いた出場者36人のピアニストたちが選んだのは、スタインウェイが26人、ヤマハは4人。

しかし決勝に進んだ6人は、全員がスタインウェイを弾きました。

実は、これについては、かつて『“近未来”を見据えた投資術』として記事にしたことがあります(『こちら』)。

さて、時が経つのも早いもの。

昨日(モスクワ時間17日)は第16回チャイコフスキー国際コンクールの初日でした(組み合わせの発表)。

そして明日からはいよいよ予選が開始。

日本人の出場者は9名で、ピアノ:藤田真央、ヴァイオリン:服部百音・北川千紗・毛利文香、チェロ:水野優也・佐藤晴真・上野通明、フルート:齋藤志野、チューバ:夏目友樹。

そしてピアノ部門では、どのピアノが選ばれるかの戦いも注目の的。

今回はスタインウェイ、ヤマハなどに加えて、中国のYangtze River Piano(長江)も公式ピアノに採用されることになったのだとか(『こちら』)。

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2018年11月 8日 (木)

エンターテインメント業界の今後(その3)

中間選挙では全米50州のうち38州で、州知事も選ばれます。

クラスメートのダッグ(ノースダコタ)はどうだったのかな、と思って見てみたら、彼は非改選組でした。

南隣のサウスダコタではクリスティ・ノームが同州初の女性知事に選ばれました。

父親はカウボーイ、彼女も牧場の仕事をしていたとかで(『こちら』)・・・。

やはりアメリカは広いですね。

南北ダコタなどの山岳諸州(The Mountain States) は、シリコンバレーや、ニューヨーク、そして私が5年間住んだ中西部とも、またちょっと違う感じがします。

さて、ビル・グッテンタグ氏の講演、その3です。

(1)Facebookが抱える問題

ロシア疑惑などで露呈したが、Facebookが抱える問題は深刻だ。

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NY Times が『シリコンバレーはあなたの友だちではない(Silicon Valley Is Not Your Friend)』と題する記事を書いたが、

成長すること、それ自体が目的化してしまっていて、成長の結果、テクノロジーが世界に何をもたらすかといった視点が忘れられてしまっている(Growth becomes the overriding motivation — something treasured for its own sake, not for anything it brings to the world)。

(2)GAFAはどこもエンターテインメントに注力している

グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンはいずれもエンターテイメントの分野に巨額の投資をしている。

しかしこの業界の面白いところは、money はもちろん重要だが、money が必ずしも success を意味しないところにある。

(3)エンターテイメントの世界ではOTTがますます重要になっている

OTTとは、Over-the-top media services のことで、Amazon Video (Amazon Prime)、Hulu、Netflix、Sky Go、Now TV などネットを通じた配信サービス(通常サブスクリプション方式)。

OTTは他方式に比べ、データマイニングが容易にできる。

(4)ハリウッドは基本的に risk-aversion だ(リスクを回避する傾向にある)

ヒット作の続編を作りたいと言って、拒絶されることはほとんど無い(always green-lighting sequels)

「スター・ウォーズ」、「スター・トレック」、「X-MEN」などのフランチャイズ映画は、テントポール映画(テントポールは「テントの支柱」という意味)とも呼ばれ、スタジオの屋台骨を支えている。

(5)映画製作ビジネスは巨費を使うようになっている

break-even するには、5億ドル(560億円)の収入が必要

(6)海外で収入を上げることが、映画ビジネスにとって重要になってきている

米国の市場は伸び悩み。

勢いよく伸びているのはアジア。とりわけ中国。

市場規模は現状1位が米国、2位中国、3位日本。

いずれ中国が米国を抜く。

ハリウッドは中国市場を完全に意識して映画を製作。

その結果、中国政府が好まないものは作らない。

つまりSelf-censorship(自己検閲)が行われてしまっている。

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2018年11月 7日 (水)

エンターテインメント業界の今後(その2)

アメリカ中間選挙。

投票所には列ができ、ジョージア州のある投票所では投票するのに4時間待ちだとか。

自分の1票を入れようと、辛抱強く列に並ぶ人たちの姿がテレビに映し出されていました。

さて、昨日に続き、double Oscar-winner のビル・グッテンタグ氏の講演内容です。

スタンフォード大学(ビジネススクール)で教鞭を執っている氏の講演は、構成がひじょうにしっかりとしているものでしたが、私の方では、その内容を思いつくまま、ランダムに書いています(すみません)。

(1)アマゾンによるTwitchの買収  

eスポーツはこれから先、大きな市場になる

アマゾンは9.7億ドル(1,000億円)でTwitchを買収した(2014年)

(2)Game は大きな市場

Star Wars Battlefront II のようなヒット作が続出(岩崎注:同作については米国では期待外れとの評価も。期待が大きすぎた?)

       Star_wars_3

(3)ネットフリックスは順調に売上を拡大

同社は海外部門について2020年までは損失覚悟で売上増に注力すると言っている

(4)ネットフリックスは年間82本もの新作を出している

一方で、ワーナー・ブラザーズが年間に出す新作は23本に過ぎない

(5)現状では、アルゴリズムは映画を作れない(Algorithm cannot write stories)

コンピューターでヒットの要因を分析し、それを最適な時間配分、順序で、全て積み込んだ映画が作られた。

しかし興行的には失敗に終わっている

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